写真集から整備書、カタログまでマニア垂涎の品揃え

世田谷の閑静な住宅街を走る環八沿い、外車の販売店が集中するロケーション。店名ロゴを大きく掲げた赤い屋根が遠くからも目を引き、その軒先には、数台のバイクが並べられています。ぱっと見ただけでは、ここが本屋だと思わないかもしれない。けれども一歩足を踏み込めば、そこはクルマ好き・バイク好きにはたまらない世界。雑誌に書籍、その他関連品が合わせて約2万点も揃う、クルマとバイクの専門書店だ。

国内外の専門誌をはじめ、単行本はクルマ・バイクの歴史や映画、レースに工学、洋書の写真集。中には、整備マニュアルやセールスカタログなど、一般には入手困難なものも多数ある。それらがすべて、国別、車種別に分類されて棚に並ぶ。
「フェラーリならフェラーリ、好きなクルマに関するものなら、そのコーナーに行けばすべて揃う。便利でしょう?」と、オーナーの藤井孝雄さん。自身も無類のクルマ・バイク好き、そして本好きだ。趣味の世界を存分に楽しんで欲しいとの思いから、店内にはコーヒーを片手にDVDを見られるコーナーを設けたり、モデルカーの展示スペースもある。

極めつきは、お店に併設して作られた巨大なスロットレース場。常連客の声をきっかけにオープンした。
「年配のお客様が、数万円もするようなドイツ語の難しいレーシングカーの本を買っていらっしゃる。なぜかと思えば、エンブレムの位置からドライバーのヘルメットの色まで、往年の名車とまったく同じスロットカーを作りたい、その資料として買うんだと。そんな方が何人もいて、『ここでレースができるようにしてくれたらいいんだけどね』とおっしゃる。それで、作っちゃった」(藤井さん)
オープン以来、大盛況。週末などのイベント開催時には、数十人が詰めかける。中には、希少な実車の所有者もいて、普段はとても走らせることのできない高価な名車の代わりに、瓜二つに仕上げたスロットカーでレースに参加。白熱のレース展開に目を輝かせ、ときに店内は歓声に沸くという。
ここへ来たら、目当ての本を買うだけで帰るなんてもったいない。好きな棚の前に陣取って、愛する名車に思いを馳せるもよし、大画面前で長居を決め込むもよし。はたまた、自慢のマシンでレースに興じるもよし。好きな世界に思いっきりのめりこめるこの店は、大人の遊びの詰まった秘密のガレージだ。

